軽羹と軽羹饅頭

それぞれの楽しみ方
「軽羹」登場からおよそ150年が経った頃、棹物だけであった「軽羹」に、餡入りの「軽羹饅頭」が登場しました。

弘化3年 (1846年)の11月、28代斉彬が少将の時代、鹿児島にて「軽羹饅頭」を召し上がったという記録が残っています。
饅頭状であれば、切らずに手にして食べることができます。
「軽羹」は饅頭の形になったことが、日常的な菓子へと姿を変えていくきっかけになったと考えられています。

「軽羹饅頭」が登場したその翌年には「蒸し立て軽羹饅頭」、翌々年には「軽羹饅頭紅あん入り」とバリエーションも増えました。真っ白い軽羹に薄桃色の紅あんの「軽羹饅頭紅あん入り」が、当時どれほど軽やかで華々しいものであったかは、容易に想像できると思います。

「軽羹」のもつしなやかな弾力性とあんの力強さが一体となり、魅力を増した「軽羹饅頭」だからこそ、案外「軽羹」そのものの魅力を後世まで伝えることができたのではないでしょうか。

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